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タオルのにおいは菌が原因? 不快なにおいを防ぐ方法とは

2024/08/01

一度出始めるとなかなか取れないタオルのにおい。「しっかり洗ったはずなのに濡れるとイヤなにおいがする」「何度洗ってもタオルのにおいが取れない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

タオルを使用する直前まではにおいが気にならなかったのに、手や身体を拭いて濡れた途端ににおいが強くなってしまうことが気になっている方も多いのではないかと思います。

タオルからイヤなにおいが発生する原因は、タオルに付着・残留している汚れとそれを養分に増殖する細菌です。ひどくなると、ただ洗って乾かすだけではにおいを取り除くことが出来なくなってしまいます。
また、においは、乾いているときはあまり感じられませんが、水分を含むと強く感じられるようになるため、洗濯した後のタオルがにおわないからといって油断はできません。

今回は、タオルの不快なにおいの原因とタオルを臭くなりにくくする方法、タオルが臭くなった場合の対処法をご紹介します。

タオルが臭くなる原因

繰り返しちゃんと洗濯したはずのタオルがにおう原因は、タオルに付着して落としきれなかった皮脂やたんぱく質などの汚れと、それを細菌が分解する際に発生する臭気です。

最近の洗濯機や洗剤は非常に高性能になっているため、特に手を加えなくても汚れをしっかり落としてくれると思いがちですが、実は洗うものの種類や量によって汚れの落ち具合や残り具合に差があります。

特にタオルのように厚手のものは、ちゃんと洗濯したつもりでも汚れが残りやすく、日々の洗濯で気付くほどではありませんが、使用と洗濯を繰り返す度に汚れが少しずつ蓄積されていきます。

このタオルに残った汚れは、私たちの生活環境の中に存在している細菌にとって格好の栄養源となるため、肌の表面や空気中から細菌が付着して増殖し、汚れを分解することによって不快なにおいを発生させます。

不快なにおいを発生させる細菌にはいくつかの種類がありますが、中でも代表的なのは、部屋干し臭とも言われる雑巾のような不快なにおいを出す「モラクセラ属細菌(以下モラクセラ菌)」です。

他にも運動部の部室に例えられるような汗臭いにおいを出す「マイクロコッカス属細菌(以下マイクロコッカス菌)」やアンモニア臭を出す「黄色ブドウ球菌」が原因菌として知られています。

雑巾のようなにおい「モラクセラ菌」

部屋干ししたタオルのにおいの原因となることが多いモラクセラ菌は、人体をはじめ日常の生活空間にどこにでもいる常在菌の一種で、乾燥や紫外線にも強い菌であると言われており、ただ洗濯機で洗って外に干しただけでは菌そのものは死滅しません。

モラクセラ菌は水分があると増殖しやすいため、乾くまでに時間がかかってしまう部屋干しをすると、落としきれずに残ってしまった汚れを養分に増殖して不快なにおいを発生させます。

汗臭いにおいを出す「マイクロコッカス菌」

運動部の部室のにおいなどに例えられる「汗臭い」においは、マイクロコッカス菌が増殖して発生すると言われています。

マイクロコッカス菌も人間の皮膚上にいる常在菌の一種で、汚れと水分があると増殖します。特に皮脂などの油脂系の汚れを分解して「汗様臭」と呼ばれる臭気を発生させます。

細菌以外にもあるにおいの原因

タオルが臭くなる主な原因は残っている汚れを細菌が分解するからと書きましたが、実はこの残った汚れ自体からもにおいが発生します。

洗濯で落としきれない汚れの1つに皮脂汚れがありますが、これが空気中の酸素と反応して独特のにおいを発生させます。長く着ている肌着や古着などによくあるにおいで、加齢臭や男脂臭などと同じ酸化した皮脂のにおいです。

タオルを臭くなりにくくする方法

タオルが臭くなる原因は細菌そのものではなく、細菌が増殖するための養分となる汚れの存在です。 汚れが付着していない新品のタオルは濡らして部屋干ししてもにおいません。これは養分となる汚れがなく、細菌が付着しても増殖できないためです。

つまり、タオルを臭くなりにくくする方法は「しっかりと洗って汚れを残さないこと」です。
何か特別なことをする必要はなく、「付いた汚れはキッチリ落とし、なるべく残さないことを意識して、少しだけ丁寧に洗濯する」、それだけで不快なにおいから解放されます。

具体的には、洗濯するタオルの量に対して少し多すぎるかなと思うくらいの水量を設定し、洗剤は水量に合わせた規定量を入れ、タオルが上下にも動くくらいの強めの回転でしっかりと洗い、すすぎを念入りに行うことです。

全自動洗濯機の場合は最大洗濯容量の半分くらいに留め、水を最大に設定して「注水すすぎ」または「すすぎ3回」などを選びます。洗濯で最も重要なのは「すすぎ」で、すすぎの水量や回数が多いほど汚れは残りにくくなります。

ドラム式洗濯機の場合は水量の調整が出来ないことが多いため、「念入りコース」などのすすぎ時間の長い設定を選択するか、洗濯が終わった後にすすぎと脱水を1~2セット追加するのがおすすめです。

洗剤は必ず適量を守り、漂白剤は必要に応じて使ってください。柔軟剤などはなるべく使わない方が良いでしょう。風呂の残り湯の使用もNGです。

洗濯が終わったら速やかに取り出して干してください。洗濯機の中は湿度が高く、細菌やカビが増殖しやすい環境なので、絶対に放置しないでください。これはかなり重要です。ドラム式洗濯機の場合は乾燥まで行うことを強くおすすめします。

タオルを干す際には、出来るだけ短時間で乾くようにすることも大切です。
外に干す場合は風通しの良い日陰に、部屋干しする場合はエアコンや扇風機の風が当たる場所に干すようにして、細菌が増殖しやすい状態をつくらないようにしましょう。

臭くなってしまったタオルの対処法

タオルが臭くなるのは細菌が汚れを分解して不快なにおいを発生させることが原因なので、細菌を取り除いて汚れを落とせば解決できます。

ここからは、臭いタオルを除菌しガンコな汚れを落とすことにより、臭くなってしまったタオルをもとの状態に回復させる方法をご紹介します。

1.電子レンジで加熱して殺菌する

においを発生させる菌は高温に弱いので、電子レンジで加熱することでほぼ死滅します。

タオルを水に濡らしてラップで包み、500Wの電子レンジで1分程度加熱します。取り出して冷ました後、普通に洗濯を行うことでにおいを取り除くことができます。

ただし、タオル自体の汚れが落ちていないと再びにおいが発生することがあります。

2.漂白剤で殺菌・消臭する

・白物の場合

白物のタオルの場合、洗面器などに溜めた水につけ置き規定量の塩素系漂白剤を入れて指定通りの時間つけ置きし、その後普通に洗濯を行います。

塩素系漂白剤の作用は非常に強力で、細菌も汚れも分解してしまうため、においはほぼ無くなります。

においがきつい場合は漂白剤の量を少し増やしても良いのですが、やり過ぎると生地が傷んでしまうので注意してください。

つけ置く時間は守ってください。つけ置き後は必ずほかの洗濯物と分けて単独で洗濯するようにしましょう。

・色柄物の場合

色柄物の場合は塩素系漂白剤を使うことは出来ませんが、酸素系漂白剤が使えます。

給湯器で出せる最も高い温度のお湯を洗面器などに溜め、つけ置き規定量の酸素系漂白剤を入れて指定通りの時間つけ置きし、その後普通に洗濯を行います。
においが残っている場合は、もう一度つけ置きと洗濯を繰り返してください。

酸素系漂白剤はガンコな汚れまでは分解できないため、汚れが残ってしまうと再びにおいが発生することがあります。

3.タオルを煮洗いする

大きめの鍋にタオルの重さの10倍程度の量の湯(フェイスタオル1枚なら1リットル程度)を沸かし、少量の洗濯石けん(洗剤ではなく石けんを!)または少量の酸素系漂白剤とタオルを入れて、軽く沸騰する程度の火力で3~10分間煮ます。火を止めて冷ました後、普通に洗濯を行います。

汚れがひどくない場合は洗剤や漂白剤を入れなくても効果があります。
熱の力によって殺菌され、ガンコな汚れも落ちやすくなるため、においが無くなりまた出にくくなります。

ただし、加熱することによって稀に色落ちや変色が起こる場合があるのでご注意ください。

洗濯で落としきれない頑固な汚れは、熱を加えることで落としやすくなります。

この方法は特に油性の汚れに対して効果が高く、細菌によるにおいだけでなく、油脂分の酸化によるにおいも取り去ることが出来ます。

洗剤よりも石けんの方がおすすめな理由は、石けんは温度が高いほど洗浄効果が上がることに加え、泡を出す成分や香料などが配合されていないためです。

まとめ

そもそもにおいが発生しないようにすることが一番

タオルからイヤなにおいが発生する原因は、タオルに付着・残留している汚れと、それを養分に増殖するモラクセラ菌やマイクロコッカス菌などの細菌です。

特にモラクセラ菌やマイクロコッカスは常在菌なので、ご紹介した方法でにおいを取り除いても、タオルに汚れが付着した場合は再び増殖してにおいを発生させてしまいます。

汚れは時間が経つと落ちにくくなるため、使ったタオルはこまめに洗濯し、早めに汚れを落としてキレイな状態を保つようにしましょう。

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