西印度諸島海島綿
10万分の1以下の奇跡
繊維が細く長いほど、強くしなやかな糸を紡げる綿。世界中でさまざまな種類の綿花が栽培されていますが、その頂点にあるのが西印度諸島海島綿(以下「海島綿」)です。
原種に近い非常にデリケートな性質から、カリブ海周辺のごく限られた地域でしか収穫されず、また、大量生産ができないため、その量は世界の綿花のわずか10万分の1以下にすぎません。
ほかのどんな綿よりも長く、細く丈夫でしなやかな繊維は、かつてはパラシュートの素材として用いられたほど強靭です。
この綿からつくられた製品は、英国王室をはじめとする各国の王侯貴族から愛され、英国紳士の間ではステイタスシンボルとされてきました。
現在は日本の西印度諸島海島綿協会が栽培から商品化までを管理し、メンバーだけがこの素材の商品化を認められています。
現在の海島綿の産地は、西印度諸島のジャマイカ、そして中米のベリーズ。珊瑚礁の地盤は水はけが良く、アルカリ性。成長期に雨に恵まれ、収穫期は乾期という好条件に加え、温暖で昼夜の温度差が少ない気候により、優れた品質の繊維が育ちます。