土染め
古(いにしえ)の染めを今に
綿など素材へのこだわりと同様に、染色へのこだわりをかたちにしたのが、土染めです。土を水と植物だけで生地に定着させるという土染めは、古くは『万葉集』や『播磨国風土記』などに見られましたが、詳しい染色方法が伝えられておらず、失われた技法と呼ばれていました。
この幻の染色技法が、古代技術の研究家である和光大学の関根秀樹氏の手により現代に甦りました。土や鉱物を微粉末にして水に溶き、繊維表面の孔や隙間に直接付着させて自然のままの色合いを表現するこの染色方法は、化学薬品を必要としないため、環境をよごすことがありません。
アボリジニの聖地として知られるエアーズロック周辺の赤い岩石、南フランス・プロヴァンス地方の黄土など、美しい色合いの土や鉱物を染料として用いる土染めは、古くて新しい、環境にやさしい技術です。
レ・デクベール賞
フランス・パリのメゾン・エ・オブジェ2009にて、創造性と革新性に秀でた商品に与えられるレ・デクベール賞を受賞しました。
土染めとは…
ありのままの自然を、ありのままの色で、ありのままのオーガニックコットンに染め付ける土染めです。
写真左上から:オーストラリア・エアーズロック周辺の赤い岩石(ラテライト)、南フランス・プロヴァンス地方の黄土(ゲータイト&ローム)、ドイツ・ロマンチック街道の古都、フュッセン周辺の赤みを帯びたベージュの森林褐色土、バリ島の磁鉄鉱、ブラジルの赤鉄鋼。