世界の超長綿
繊維の長い超長繊維綿は、細くしなやかな糸を紡ぐことができ、上質なタオルを生み出します。しかし、その生育には、気候や土壌など多くの条件が必要なため、地球上でも限られた地域でしか栽培できず、その生産量は綿花全体のわずか5%にすぎません。
スビン
セントビンセント島産の海島綿とインド在来種の長繊維綿スジャータとの交配によって生み出された「スビン」は、繊維がもっとも細くしなやかな超長繊維綿で、シルクに近いしっとりとした手触りが特長。インド・デカン高原南部のタミル・ナードゥ州の限られた農家だけで栽培されています。
スーピマ
スーピマとは、高品質なアメリカ産超長繊維綿だけに与えられるブランドで、米国のスーピマ協会が定めた厳正な基準を満たすものにだけその名称が許されます。気象条件によって品質や収穫高が左右されがちな綿の中にあって、常に安定した品質を維持しているのが特長です。
エジプト綿
約100年前に駐エジプト英国総督官邸の庭で偶然発見された、1本の優れた綿の樹から改良を重ねて現在に至ったと言われるエジプト綿。ナイル川の肥沃なデルタ地帯とその流域で栽培されている綿花は、そのすべてが長繊維綿です。ほかの産地の綿花よりも若干張りがあって強度が高く、古くから耐久性が要求されるものに使われてきました。中でもとりわけ繊維の長い超長繊維綿として、ギザ45、ギザ70、ギザ88などが有名で、やスビン、スーピマと並んで高く評価されています。
綿の繊維長を比較したもの。
★左が超長繊維綿、右は一般的に使われている中繊維綿です。